ヨブ記 Job 2004 1 18

 聖書には、「ヨブ記」というものがあります。

 ある日、主の前に、神の使いたちが集まり、
サタン(悪魔)も来た。
 主は、サタンに言われた。
「お前は、どこから来た。」
「地上を巡回しておりました。
ほうぼうを歩きまわっていました」とサタンは答えた。
 主は、サタンに言われた。
「お前は、わたしの僕ヨブに気づいたか。
地上に、彼ほどの者はいまい。
無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」
 サタンは、答えた。
「ヨブが、利益もないのに、神を敬うでしょうか。
あなたは、彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか。
彼の手の業をすべて祝福なさいます。
お陰で、彼の家畜は、その地に、あふれるほどです。
ひとつ、この辺で、御手を伸ばして、彼の財産に触れてごらんなさい。
面と向かって、あなたを呪うにちがいありません。」
 主は、サタンに言われた。
「それでは、彼のものを一切、お前のいいようにしてみるがよい。
ただし、彼には、手を出すな。」
 サタンは、主のもとから出て行った。

以下は、気の毒なことなので、省略しますが、
悲惨なことが、不幸なことが、次々と、ヨブに襲いかかりました。
 しかし、ヨブは、こう言ったのです。
「わたしは、裸で、母の胎を出た。
裸で、そこへ帰ろう。
主は与え、主は奪う。
主の御名は、ほめたたえられよ。」
 このような時にも、ヨブは、神を非難することなく、
罪を犯さなかった。

 また、ある日、主の前に、神の使いたちが集まり、
サタンも来て、主の前に進み出た。
 主は、サタンに言われた。
「お前は、どこから来た。」
「地上を巡回しておりました。
ほうぼうを歩きまわっていました」とサタンは答えた。
 主は、サタンに言われた。
「お前は、わたしの僕ヨブに気づいたか。
地上に、彼ほどの者はいまい。
無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。
お前は、理由もなく、わたしをそそのかして、彼を破滅させようとしたが、
彼は、どこまでも無垢だ。」
 サタンは、答えた。
「皮には皮を、と申します。
まして、命のためには、全財産を差し出すものです。
手を伸ばして、彼の骨と肉に触れてごらんなさい。
面と向かって、あなたを呪うにちがいありません。」
 主は、サタンに言われた。
「それでは、彼を、お前のいいようにするがよい。
ただし、命だけは奪うな。」
 サタンは、主の前から出て行った。
サタンは、ヨブに手を下し、頭のてっぺんから足の裏まで、
ひどい皮膚病にかからせた。
ヨブは、灰の中に座り、素焼きのかけらで、体中をかきむしった。
 彼の妻は、
「どこまでも無垢でいるのですか。
神を呪って、死ぬ方がましでしょう。」と言ったが、
ヨブは答えた。
「お前まで、愚かなことを言うのか。
わたしたちは、神から幸福をいただいたのだから、
不幸もいただこうではないか。」

 これを、単に、物語だと思うのでしょうか。
ヨブの時代だけだったと思うのでしょうか。
 しかし、歴史を振り返れば、
ヨブと同じことが、繰り返し、起きていたのです。
 主とサタン(悪魔)との会話。
そして、サタンの、人間に対する試み。
 聖書を忘れていた人が、なんと多いことか。
信仰は、試される。
招かれる者は多いが、選ばれる者は少ない。





























































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